2014年11月8日-2015年9月23日 日本財団アール・ブリュット美術館合同企画展 ひとがはじめからもっている力 TURN/陸から海へ 開催中
コンセプト

障がいと芸術表現に対するこれまでの画一的な語られ方や受容のされ方への問いかけを、「アール・ブリュット」を掲げ探求する「みずのき美術館」(京都府)、「鞆の津ミュージアム」(広島県)、「はじまりの美術館」(福島県)、「藁工ミュージアム」(高知県)の初めての合同企画展として開催いたします。
監修者日比野克彦は「アール・ブリュットとは何か」という問いを、より普遍的、根源的な問いとして昇華させる言葉として、「TURN」という言葉を掲げました。
本展で紹介する27余名の作家は、「陸」という日常に「海」へと潜るような視座を向けることによって、日常生活やわたしたち自身の中に驚くべき豊かさが息づいていることを見出した者たちです。日比野克彦自身は、監修者として、障がい者支援施設へショートステイ(※1)し、TURNについて深く思考した軌跡が展覧会の展示作品の軸に据えられます。
本展では、より豊かに感受する意識がもたらす新しい世界の可能性を、「TURN」という言葉と共に問い直します。

※1 ショートステイ:障がい児、障がい者や高齢者などを、家族が一時的に療育、介護することができない場合や、心的負担の軽減を図るために、福祉施設に短期入所することができるサービス。本展ではサービスを模して実施。

開催スケジュール
みずのき美術館(京都府)鞆の津ミュージアム(広島県) はじまりの美術館(福島県) 藁工ミュージアム(高知県)
参加アーティスト クマムシ スリッパ Chim↑Pom サエボーグ 矢島孝一 上里浩也 マルセン・デュシャン 今村花子 平岡伸太 岩谷圭介 畑中亜未 岡本太郎 小林竜司 中原浩大 田中偉一郎 淺井裕介 工藤トミエ 北川義隆 日比野克彦 戸來貴規 佐藤初女 野田秀樹 猪熊弦一郎 島袋道浩 高橋重美 十八代目中村勘三郎 長田身延+長田純子
監修者ステイトメント

 私たちの身体には昨日までの記憶が積み込まれている。生まれる前の記憶も命の連鎖が運んできている。その中には遥か昔の海の中で生命が誕生した記憶もあるだろう。「人がはじめからもっている力」は自分ひとりで獲得できたものではなく、これまでに地球上に誕生した全ての生命があったからこそ持ち得た才である。
  しかし現代に於いて、この「人がはじめからもっている力」を意識することは難しい。なぜなら現代社会は「人がはじめからもっている力」のエッジを覆い、協調性を持たせる事により均衡した社会基盤を形成する手法で現代を作り上げようとしてきたからである。そして必要とされないが為に、「人がはじめからもっている力」の存在を意識する感覚が大衆の中で遠のいていき、そして人が生まれた後の陸上での個人の中だけで思考する「時間の根」の浅い集団が社会の中に多く出現してきている。そんな姿は本当に均衡がとれている社会と言えるのだろうか?私たちが未来に向けて歩みを進めている方向はこれでいいのだろうか?
  私たちがこれから、これまでの時間と同じくらい命を紡いでいくには、「人がはじめからもっている力」が備えている真の意味での強い生命力が必要であるのではないだろうか。「人がはじめからもっている力」は海からの記憶が作りだした才である。そして全ての命が自分とつながっていることを意識出来る身体の再獲得が、これまで経験してきた時間を自己の中で展望できる視点を得ることになり、それこそが社会に於ける均衡した基盤になりえるのではないだろうか。TURNとは、更に連なっていくであろう次なる世代が、豊饒な生き方をする為に、ひとがはじめからもっている力を再認識する陸から海への旅である。
日比野克彦(2014年7月 合同企画展監修者)

日比野 克彦
アーティスト/
東京藝術大学美術学部教授
© Mitsuru Goto © 後藤 充
主 催: TURN展実行委員会(みずのき美術館、鞆の津ミュージアム、
    はじまりの美術館、藁工ミュージアム)、日本財団
共 催: 社会福祉法人松花苑、社会福祉法人創樹会、社会福祉法人安積愛育園、
    特定非営利活動法人ワークスみらい高知
監 修:日比野克彦/アドバイザー:森 司
お問い合わせ
(担当:日本財団 溝垣)
(担当:TURN展実行委員会 奥山)
(*Eメールでご連絡の際には件名に「アール・ブリュット合同企画展2014」と必ず明記してください。)